【化粧品開発者が解説】髪の基本構造や、ダメージとなる4要素とケア方法など

髪は個性を彩り、美しさを引き立てる大切な要素です。しかし、髪の毛は複雑で繊細な構造に支えられていることをご存じでしょうか。私自身も月一回以上は通うほど美容院好きなわりに、恥ずかしながらコスメコンシェルジュの資格を取得するまで、詳細を知らない部分もありました。

本記事では髪の毛の基本構造とダメージケアの方法を紹介します。髪の毛の構造を知ることで、適切なケアを選択しやすくなります。髪のダメージにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

髪はどのような成分で出来ているの?

毛髪の約80~90%はケラチンタンパク質で出来ています。残りは水分が約12~13%、メラニン色素が約3%、以下その他成分で構成されています。

髪のなりたち

毛髪は、外側から以下の三層で成り立っています。

  • キューティクル
  • コルテックス
  • メデュラ


髪の毛の構造を知ることで適切なケアを行いやすくなるため、ぜひチェックしてみてください。

キューティクル(毛小皮)

髪の表面を覆うキューティクル(毛小皮)は、髪を守護する役割を果たしています。外部からのダメージや紫外線から髪を守り、ツヤや滑らかさを与える重要な層です。

ケラチンと呼ばれる無色透明の硬いタンパク質でできており、毛先に向かってウロコ上に重なりあい、コルテックスのタンパク質や水分を逃がさないようにしています。非常に薄い膜で乾燥や摩擦に弱いのが特徴です。

コルテックス(毛皮質)

コルテックス(毛皮質)はキューティクルの下にある弾力性のある層です。

髪の大部分を占め、繊維状の束とそれを取り巻く構造でできています。コルテックスの状態が太さ、強さなどの髪の特徴に現れます。

メラニン色素

メラニン色素はコルテックス内にある、毛髪の色を決める色素のことです。

メデュラ(毛髄質)

メデュラ(毛髄質)は毛髪の中心に位置し、比較的やわらかい部分で、線維状にならない個々の細胞が積み重なるようにしてできています。ただし、全ての髪にメデュラが存在するわけではなく、特に細い髪や一部の髪の人にはほとんどないといわれています。

髪にダメージを与える主な4要因と、その対策やケア方法

髪に与えるダメージを与える4つの要因と、対策・ケア方法について解説します。

  • 紫外線
  • 摩擦
  • パーマ液などのアルカリ成分

ダメージとなっている原因に応じて、取るべきケア方法が異なります。髪のダメージが気になっている方はぜひ参考にしてください。

毛髪は熱に弱く、乾いた状態では180℃でケラチンタンパク質に変性を起こします。湿った状態では、もっと低い温度でも変性が起こります。湿度70%で70℃から、湿度97%では55℃から始まります。

【対策やケア方法】

コテやストレートアイロンを使用する際は、温度が調整できるものを選び、180℃よりも低い温度で使用するようにしましょう。また、髪を洗った後は、しっかりとタオルドライをしてからドライヤーで乾かすようにしましょう。ちなみに、変性した髪は元には戻りません。

紫外線

紫外線は毛髪にとっても、大敵です。髪はメラニン色素が多いため、肌に比べると紫外線には強いですが、浴びすぎるとケラチンタンパク質を変性させます。さらにダメージが進むと毛髪内部が空洞化します。

【対策やケア方法】

帽子や日傘で紫外線の進入を防ぎましょう。また髪用のUVカットスプレーもおすすめします。

摩擦

過度なブラッシングやシャンプーなどでも摩擦は起こります。また、毛髪を乾かさずに寝ると、摩擦でキューティクルがはがれます。

【対策やケア方法】

手のひらでシャンプーをきちんと泡立てから洗いましょう。ブラッシングのし過ぎもさけましょう。髪はきちんと乾かしてから就寝しましょう。

パーマ液などのアルカリ成分

毛髪は、pH4.1~4.7の弱酸性のために酸には強いですが、アルカリに弱く、pH12で溶けはじめます。パーマ、カラーなどの処理によるアルカリ剤の影響で、キューティクルが溶け、髪の毛が細くなります。

【対策やケア方法】

最近ではアルカリの少ないカラー剤や、全く入っていないカラー剤などもあります。また美容室では、パーマやカラーの際に、ダメージ部分の修復と保護をする処理剤もあります。

まとめ

美しい髪を保つためには髪の構造を理解し、日常のケアに注意を払うことが重要になります。また、紫外線が強い夏場は、四季の中でも特に重点的なケアが必要です。

髪のダメージケアにおすすめの商品は、信頼出来る美容師さんに聞いてみることもおすすめです!

正しい知識を備えて、あなたの髪を輝かせましょう!