【知っておきたい】香水の基本~香りを感じる仕組みから、いわゆる「香水」の種類の違い、香りの特徴から変化まで~

香水は五感の一部である嗅覚を喚起し、感覚的な豊かさをもたらします。特定の香りは記憶や感情と密接に結びついており、使用者や周囲の人々に楽しい感覚や思い出を提供します。

今回の記事では、香水の基本に焦点を当て、香りを感じる仕組みから、いわゆる「香水」の種類の違い、香りの特徴から変化まで解説します。

そもそも香りがするって何?~人間が香りを感じる仕組み~

香りは、鼻から匂いの物質が奥にある嗅上皮という粘膜に最初に溶け込み、嗅細胞の先端部分の嗅毛という毛にキャッチされます。つづいて、嗅上皮にある嗅細胞が電気信号を発生します。電気信号が嗅神経、嗅球、脳(大脳辺縁系)へと伝達し、におい感覚が起きるといわれています。

この電気信号は、身体の生理機能をコントロールする視床下部にまで届き、自律神経やホルモン、免疫系などの身体を調節する働きにも影響します。

香水の種類

同じ商品名の香水でさえ、さまざまなタイプが発売されていることがあります。

購入の際には、どの種類を選ぶか迷うこともあるでしょう。

香水の種類は、香料の濃度によって異なります。

パルファム

香料配合量は15~30%。

最も香りが強く、少量で長く香ります。持続時間の目安は5~7時間です。

オードパルファム

香料配合量は7~15%と、パルファムより低めです。

「オード」とは、フランス語の「Eau de」で、「水の」という意味です。

濃度はパルファムより低めではあるものの、香りの強さや持続時間はパルファムに近いのが特徴です。持続時間の目安は4~6時間です。

オードトワレ

香料配合量は5~10%。

持続時間は3~4時間で、日常使いに向いています。

市場に流通している香水は、ほとんどがオードトワレに分類されます。

オーデコロン

香料配合量は2~5%。

香りの持続時間は1~2時間ほどで、全身にまとってもほんのり香る程度です。

香りの分類と特徴

香料業界では、香りの特徴によって分類される系統図を使用しますが、香料会社や香水メーカーによって、分類が一致しないこともあります。

そこで今回は、国際的な分類基準の一つとなる、ドイツの香料会社ハーマン&ライマー社(現シムライズ社)の分類を使用します。

補足:

ふたつの表現を使っている場合は、前がアクセントとなる副分類、後ろが主成分の場合が多いです。

例:

フルーティ(副分類)シトラス(主分類)

香りの変化

香水は様々な香料から構成されています。

肌に付けてから、時間ともに香りやすい成分が発揮していくため、グラデーションを描くように香りは変化します。

トップノート

つけたて~30分ほどに香る部分を指します。

主に、シトラス系やグリーン系、フルーティー系、ハーバル系が感じられます。

ミドルノート

トップノートに続き30分~1時間ほど香るミドルノート。

香水の個性が出る中心的な香りです。6~7割はフローラル系で構成されています。

ラストノート

2~3時間後に香り、消えゆくまでをラストノートといいます。

残香性が高い、バニラ・ムスク・アンバー、またオリエンタル系・ウッディ系・バルサミック系があります。

香るまで時間はかかりますが、持続時間は6~7時間と長いです。

香水の付け方

しっかりと香らせたい場合

耳の後ろ・ひじの内側・うなじなど

柔らかく香らせたい場合

ひざの裏・足首・ウエストの両サイドなど

保存上の注意

・直射日光を避ける

・温度変化の激しいところを避ける

・キャップを閉め、空気を触れないようにする

・開封したら1年を目安に使い切る

まとめ

香水は個性を引き立て、日常に彩りを与えてくれる特別なアイテムです。

香水の種類や、時間による香りの変化を理解することで、自分に合った香りを見つける手助けとなるでしょう。香水を効果的に使うためには、シチュエーションに合わせた付け方も大切です。

また、適切な保存方法と開封後の期限管理を心がければ、香り豊かな毎日を楽しむことができます。

最近はアトマイザータイプや、お試しタイプのサイズの香水も販売されていると聞きます。たくさんの香りを試してみて、自分に合った香水を見つけてください。

参考:日本化粧品検定テキスト